PS4のスパイダーマンを三時間くらい遊んだ

f:id:Frameout:20180908000320j:plain

 

「実写だコレ」

 これは『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』のアイアンスパイダースキンを使ってニューヨークを飛び回った感想。元の映画がCG使いまくり(スパイダーマンは全部CGだろ)だったこともあり、「実質的に実写」である。最近のMCUシリーズのCGになんか違和感を感じてしまう身からすると、むしろゲームの方が「リアル」なんじゃないかという意味のわからない錯覚に陥ることもあった。危険な兆候だ。

 

 それでなくともこのゲームはすごい。広大なニューヨークの端から端まで数分で渡り切れてしまう、贅沢なスピード感。そびえ立つガラス張りのビルをするすると登り、飛んで、また別のビルのガラスを這う。どこもかしこもガラスまみれ。それらを片っ端から登れる、というのは一体何を意味するのか。

 それは、ガラスの内側をちゃんと作らなきゃいけないということだ。

 プレイヤーの大半はガラスにうっすらと反射したスパイディを見て悦に入るだけだろうに、作り手はニューヨーク全体の「ガラスの中」をいちいち作ってしまったらしい。どうかしてるぜ。インソムニアックから死者は出ていませんよね?

 たとえば『MGS2』の冒頭シーンみたいな、スネークの体にぶつかる雨粒のみで「雨」を表現する、的な演出面の工夫ももはや必要ないらしい。スパイダーマンはそうした「雨粒」を全部描いてしまうという域に達している。危険危険。HQHQ。

 

 高度なグラフィックで表現されたニューヨークを、スパイダーマンという非現実的なヒーローになって飛び回る快感。言うまでもなく、これは既に現実を超えている。アブナイ。そういえばこのゲーム、落下ダメージがないのが移動パートの楽しさを引き上げている気がする。無駄なストレスがない。

 でもこれって大丈夫なのか。『ブレスオブザワイルド』のリンクはその辺で勘違いさせないために落下ダメージ入れた、って話をどこかで見たけど。うっかり死者とか出ちゃうんじゃないか……でももうしょうがないか、面白いもんな!

スパイダーマン』のせいで現実がより一層億劫になる。いや、現実とゲームの「区別」を自分はいつまで維持し続けられるのだろうか。マジで危険だ。俺はいつか、うっかり現実の屋上から他のビルへ飛び移ろうとして落下死する気がする。そうなったらもう、「幸せそうだなアイツ」と笑ってください。

 

・余談

 上記のような技術的な感動はいっぱいある(それだけで触れる価値はあると思う)けど、ゲーム内容的にはまだ予想を超えるようなシーンがあまりないです。

 操作系はみなさんの予想通りアーカムシリーズに似てますが、個人的な印象はアーカムメタルギアライジング、って感じです。ニンジャランがあります。アーカムにめっちゃ似てるけど、アーカムと同じ感じで四角ボタンを連打してるとボコボコにされると思います。単純に難易度が高いです。バットマンより複雑です。僕はアクションが下手くそなので、最初のボスまでに10回はコンティニューさせられました。自分の中の天才ゲーマーMが泣いている。

 あと、英語音声を選ぶと字幕も全部英語になるという仕様なので、実質「吹き替えしかない」と思ってください。本作に関しては別に文句とかないんだけど、『アーカム・ナイト』の吹き替えが嫌で北米版を買いに走った思い出が蘇った。