PS4のスパイダーマンをクリアした

 ゲーム史上最も快適な移動手段でニューヨークを回れる。写真も撮り放題。

 そんなシステムが成立しちゃった時点で、このゲームには単なる「キャラゲー」を超えた価値があるんじゃないかと思ってしまう(もちろん、キャラゲーとしても破格の出来ですが)。

 常人には不可能なレベルでハイスピード観光を敢行できる、という魅力は想像以上に強かった。「MGS2のラスボス戦会場にいける」って話を聞いた瞬間はやっぱりすごくときめいたし……「ゲームの聖地はゲームの中で巡礼すればいい」という時代性に激しく感動している。もちろん行きましたとも!

 

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 デモが起きていた。

 

MGS2』ネタといえばオープニングの「雨降る夜にステルス迷彩で橋から飛び降りるアレ」とかも擬似的に再現できそうだったので今度試したい。ちなみに、フォトモードのフィルターでSFモードを選択すると、色味まで当時のメタルギアっぽくできる。いいセンスだ……。

 

 とにかく、「リアルとフィクションのいいとこ取り」みたいな究極の箱庭。個人的には完全にフィクショナルな空間だった『アーカム・ナイト』のゴッサムシティよりも感動が大きかった。これだけ広いとイースターエッグの報告もひっきりなしにあるんだけど、そういう情報を血眼になって漁るのが今はすごく楽しいです。

 で、イースターエッグの中で個人的に一番印象的だったのはやっぱりこれ。ビルの窓ガラスに反射するツインタワー。

 

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 マップ上にはない(あるはずがない)WTCツインタワーがすぐ近くの窓ガラスに映っている。ちょっと不気味な演出だけれど、「本物」の「幻」を映し出す意地を感じた。9.11の直前に発売されただけあって、一生忘れないゲーム演出の一つになりそう。

アベンジャーズタワー」や「ワカンダ大使館」がしれっと建っていることからも分かる通り、この作品はただリアルなだけの街を作りたいわけではないのだろう。ストーリーの終盤ではこのニューヨークがありえないレベルで崩壊していくんだけど、その時に覚える危機感も独特だった。

「移動するだけで楽しい」という評判は単にスパイダーマンの動きが面白いというだけじゃない。何が言いたいかというと、写真好きは買え。

 

・おまけ、という名の愚痴

 相対的にバットマンの『アーカム』シリーズの評価が下がってきているのはちょっと残念。「インソムニアックがアーカムシリーズでやっていたことを全部スパイディに盛り込んだ説」はクリアすると一層強く感じるのですが、あっちのシリーズにも良いところはいっぱいあった。

 たとえばホラーゲームすれすれの「精神世界演出」はバットマンの方が圧倒的に面白かったです。『P.T.』よりずっと前からこういうシーンを取り入れていただけあって、『アーカム・ナイト』終盤の迫力は改めてすごいなと思った。クリア当日の熱量でさえ、ストーリーはバットマン派だと冷静に感じている自分がいる。

 

 あとさ、本作の顔であるスパイダーマンのアドバンススーツ、正直ダサくね? あのスポーツウェアみたいな白ラインとか、ナイキのロゴが入ってそうな靴が自分の好みと逆行していて微妙だった。

 ずっとスタークさんが作ったスーツを使い続けていたんだけど、頭だけ外した状態のシーンは強制的に元のスーツに戻される。一部の重要シーンで「なんだかなあ」という気持ちになるので、慣れといた方がいいです。

 些細なわがままだ。逆にいうと、このくらいしか不満がない。

 

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 個人的に「スパイダーマン」はすごく因縁のあるキャラクターだった……いや、あまりにも特殊な事情なのでネットに晒す気は無かったのだけど、このゲームをきっかけにその辺の「経験談」も文章化したくなってきた。困る。

 つい3年くらい前までスパイダーマンが大っ嫌いだった。大学以前の僕を知っている人なら、今このゲームに熱中していることにかなり驚いたと思う。その辺も踏まえて、学生時代最後の夏に遊べて良かったタイプのゲームでした。今度話すね。