MCUの倒し方、知ってますよ
DCEUの最新作である『ジャスティスリーグ』を観てきた……が、今日話すのはその感想ではない。
ザックには非常に申し訳ないんだけど、今日イチで衝撃を受けたのはJL本編ではなく、ある映画の予告編だったのだ。
それはIMAXで観た『ブラックパンサー』の衝撃でもなく(いや、あの予告の興奮度もすごかったんだけど)、ワカンダの王と『スターウォーズ』の間に挟まれた一本の作品。
名前は、『鋼の錬金術師』。
IMAX予告を見たことない人向けに、とりあえず映像を貼っておきます(ただ、もちろん無理強いはしない。僕もかつて『Project Itoh』ユニバースで心に傷を負った経験があり、原作原理主義者の気持ちには理解があるつもりだ)。
別に原作ファンでもないのに、予告を見て「ん?」となったそこのあなた……分かります。ここですよね。
なんだこれ?
当たり前だけど、実写ハガレンと『ハリー・ポッター』の監督やキャストは一ミリも被ってない。この宣伝がありだというなら、もうなんだって言えてしまう……!
さっきのブラックパンサーだって、「『ライオンキング』のディズニーが送るアニマル映画、ブラックパンサー!」みたいに言えばいいじゃん。でもやらないじゃん普通。僕は以前、「ブラックパンサーがヒットするためにタイトルを『ドリーム:ワカンダのスパイダーマン』に変えよう」みたいな「ネタ」を、あくまで「冗談」としてツイートしたことがある。が、どうやら現実はその先をいってしまったらしい。
「ハガレンやべえな」という率直な危機感は、そのまま漫画の実写化、ひいては邦画全般への不安に変貌していった。
こんな事を書いたら山ほどいる邦画アンチの一人と思われるかもしれないけど、もちろんそんなことはない。僕自身は正直、実写版進撃とか普通に楽しめちゃう感じのジャンキーなんですけど……でもさ、これは作品以前の問題じゃんか。
やっぱり、一度はマジメに考えなければならない。
日本の優秀な『原作』たちももはや、「ただ原作だけあればいい」などと言い張ることはできない時期に差し掛かっている。その事実はもう、頭ごなしに否定する方がキツイんじゃないかな。
何もメディアミックス全般が悪いというわけじゃない。僕がこの世界の片隅で永遠に憎み続ける『Project Itoh』にしたって、伊藤計劃という作家を後世に残すために始まったものだ。だからあのアニメを評価する、なんていうのは絶対にありえないのだけど……というか実写化には厳しいくせにアニメ化にはやたらと甘いインターネットの風習には断固として反対したいのだけど……それでも、「そもそも映像化すんな」という意見にも僕は納得することができないのである。
一介の観客に過ぎない我々が、映画化という可能性の芽を詰んでしまったら、それこそ終わりの始まりだ。そんなわけで、映画が終わった後友人とコーヒーを飲みながら、これからの邦画や「ユニバース」傾向について喋ったりした。
で、結論から言うと、日本一ユニバース化がありそうな作品は『マリオ』なんじゃないかという結論に至る。
いや漫画じゃねえじゃん……という話にもなるが、現在マジで映画化が検討されてる日本の作品で一番可能性のある作品はと言えば、Switchが想像以上にノッてきてる任天堂以外にねえなという話になった。
あの忘れるしかない過去 内容は各自ググってください を振り切り、マリオの映画が今一度世に放たれた時、それは非常に強力なユニバースの礎となるのではないか。
だって、あいつはゲームという媒体そのものを背負ってきた男である。オリンピックで安倍総理も一瞬(本当に一瞬)身にまとったあのコスチュームなら、アイアンマンやスパイダーマンのハイテクスーツともやり合えるのではないだろうか。そんな気がする。
「マリオシネマティックユニバース」。そこからゼルダやカービィに続いていき、最終的には『スマッシュブラザーズ』として各々一堂に会する。この時点でその辺のユニバースは消し炭になるだろう。生き延びてくれジャスティスリーグ。
映画『スマブラ』の敵は誰になるだろう。ぶっちゃけ誰にしても面白そうだけど、ジェシー・アイゼンバーグ扮するモバイルゲーム会社の人事が「任天堂の倒し方、知ってますよ」とか言い出せばいいんじゃないかと僕は思う。ぶっちゃけヴィランなんかどうだっていい! 現行のヒーローユニバース全般がそれを証明している!! スマブラで他社のゲームも巻き込めるようになれば、そこには俺たちの「スネーク」が登場する可能性もゼロではなくなってくる。
これがある種、このユニバースの肝だ。
なぜかというと、その時期にはおそらく『メタルギアソリッド』の実写化も完了しているのだ。アレとうまく繋ぐ事で、映画の枠組みを超えたコラボレーションが実現することになるかもしれない。
では、実写メタルギアの監督は誰だ? そう、あの『キングコング 髑髏島の巨神』を世に放ったジョーダン・ヴォート・ロバーツである。
日本のアニメ・ゲームファンを公言しているロバーツ神は、単純にその手腕が信頼できるというだけではなく、キングコングやゴジラが殴り合うらしい「モンスターユニバース」にも一枚噛んでいるのである。つまり、スマブラとモンスターユニバースはここでリンクする。
『秒速5センチメートル』的な悲しいすれ違いをしない前提で言えば、「マリオ&モンスターユニバース」は永遠の存在になれること間違いなしだ。なぜって、マーベルやDCに比べると頭数に限りがありそうな巨大モンスターたちに、あの『ポケットモンスター』が加わるのだから!
『アイアンマン2』の少年=ピーター・パーカー説よろしく、『髑髏島の巨神』のカラカラやグレイフォックス号は伏線だったということにすれば良い。『キングコング対ドンキーコング』『モスラ対バタフリー』『キングギドラ対ドードリオ』など、日本人が逆に怖くてできなそうな怪獣決戦映画を量産し、そのペースでケヴィン・ファイギを震え上がらせればいい。
いけるじゃん任天堂!!!! ……と、いうのが一つ目の可能性。残念ながら、和ゲーのみを立てるこの手法では漫画やアニメを救うことにはならないし、これだけで勝利を確信することなどできない。
そこで打ち出す第二の案。それは日本でもハリウッドでもなく、ヨーロッパに全てを委ねるという方法だ。
あなたは知っているだろうか。僕が今年のヒーロー映画でイチオシしている『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』の存在を。永井豪の原作はなぜかイタリアで大ヒットしているらしく、そこにインスパイアされた静かな傑作の面白さはハリウッドに全く劣らない……というか、あれ自体が唯一無二だった。
日本アニメの影響下にあるやばい映画といえば、昨年の『マジカル・ガール』もそうだ。他には、他にはえーっと……あ、アメリカが全く関係ないわけじゃないけど、『ハードコア』もラストでマリオを意識していたりする! ごめんこれは無理がある!
日本の原作をどこかに「避難」させることを考えた時、僕はもうヨーロッパあたりに飛ばすしかないと思ってる。ハリウッドは規模がでかすぎて、それこそマリオレベルで突飛じゃないと個性を消されてしまう。けれど、上記の二作品は日本のアニメに新たな視点を、可能性を付与することに成功しているのだ。
「原作通り」を信奉する日本のファン達が納得できる作風ではないかもしれないけど、正直今の風潮自体どうかと思うし何が傑作で何がそうじゃないかという問題は時間が証明してくれるはず。日本の原作を守る最後の砦としての「マジカル・ユニバース」。これが実践されるのであれば日本も全力で支援しなければならない。
何を作るのかって? そりゃ『魔法少女ユキコ』に決まってんだろ!!!!! 脚本は虚淵玄と思わせといてからセーラームーン実写版の小林靖子さんとかどうでしょう? どうですか??
……さて。
以上の2候補が今日話した結果浮かび上がった結論だ。カフェで僕のこんなくだらない話に付き合ってくれたエイ太さんにはマジで感謝しかない。
「日本で作る」という可能性を頭から排除してしまったのですが、正直どうなるかは分かりません。邦画の具体的な実情に疎い僕はこんなじょーだんでしか語ることができないのだけど、倫理的にやばいことさえしなければ漫画実写も応援していきたいと思ってます。
今日あげた「Mario Cinematic Universe」と「MagiCal Universe」は、もちろんあくまで希望的観測に過ぎない。
そして、ここから大文字を取り出すと……。
結局MCUが最高なんだよな、という話でした。おやすみ。