スカルフェイスに幸せになってほしい第六回星新一賞受賞報告

・入選した
 冗談みたいなほんとの話。デル・トロが「KAIJUに幸せになってほしい」という気持ちで『シェイプ・オブ・ウォーター』を撮ったんなら、こっちだって同じことをしてやる。誰に幸せになってほしいかって? そんなの『MGSV』のスカルフェイス以外いねえだろ!! うおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!

 

honto.jp

 

 ……と、いう悪ノリから生まれたお話で「第六回星新一賞」学生部門グランプリに入選した。名前は『創訳する少女』。星新一賞はありがたいことに二年前『Frameout』という処女作(本当に、最後まで書いた小説はあれが初めてだった)で優秀賞をいただいていたのですが、二年ぶりに戻ってきてしまった。ちなみに、一年前は落選。そういうものだ。「学生部門」と銘打ったものに応募できるのはきっと今回で最後なので、その間で優秀賞→グランプリと成長? したのは精神衛生上とても良いこと。

 この二年で何か学んだことがあるかと言えば、悪意を隠すことを学んだ。というか、これまでは露悪的な描写への憧れが強過ぎた。本作は「人は遺伝子ではなく国語に住んでいる」みたいな内容の話なのですが、二年前だったら同じテーマでも「声帯虫の英語株をあえて渋谷でばら撒くTPP二次創作」みたいになってそう。そういうメンタルだった。

「憧れ」自体は今も無くなっていないけれど、曝さないほうがいいものも多分あるのだろう。こういう性格を隠さないから炎上するわけで……ごめんなさい。

 アメとムチの使い分け、というよりは「アメの中に毒物を仕込む喜び」と言ったほうが適切かな。『創訳する少女』自体はストレートにエモい話でも、やっぱり裏側にある感情は「スカルフェイス」、優しくない。ようするに、「どうだ、醜いか?」を「どうだ、かわいいか?」と書き換えただけ。それだけで、面白いくらい違って見えるのが小説だった。

 悪に堕ちる手段はまだたくさんあると思うので、これからどんどん開拓していく。次はラノベとゲームをやります。ありがとうございました。

 

・余談
 登場人物の名前が「キャシー」と「リン」だったり、受賞コメントに『YO』の歌詞を仕込んだりと某エロいパズルゲームのネタ(a.k.a. もう1つの悪意)を入れてますが、そのくせ『フルボディ』はまだ買えていない。↓を実家で遊ぶ勇気をくれ。